僕が君を好きな理由

今日の僕も明日の僕も Hey!Say!JUMP しか胸の真ん中にない

舞台『薔薇と白鳥』 、大千穐楽おつかれさまでした(ネタバレあり)

光くん、髙木くん。

いいえ、ここはマーロウ、ウィルと呼ばせてください。

『薔薇と白鳥』大千穐楽お疲れ様でした。


このヲタクも縁あって、一度観劇することができました。

演技に関してどうこう言えるような知見は持ち合わせていませんが、舞台に立つ間の光くんと髙木くんは、一瞬の隙もなくマーロウでありウィルでした。もちろん彼らの美しさはアイドルのそれなのですが、アイドルを見ているという浮わついた感情はなく、ただ舞台上の世界に飲まれていく心地よさ。


まさに「舞台」の醍醐味を堪能できたひとときでした。

 

しかも自担 伊野尾さんと同じ回を観劇できたとあって感動ひとしお。(死角だったためほぼ認識できていませんが)

どうしても内容に触れながら感想を書きたかったので、千穐楽まであたためていたらうっかりあたためすぎました。

約2ヶ月にわたり、素晴らしい舞台をありがとう、マーロウ!ウィル!

 

 

「薔薇と白鳥」 あらすじと感想


ヲタ的には推しGのメンバーの舞台ですから、登場シーンこそ ”キターー!!!”と大興奮。顔小せぇ!足長ぇ!実在している!キラッキラや!などと思ったことは否定しません。

 

しかし一言セリフを放ったその時から、光くんが、髙木くんが ”演じてる” という感覚は吹っ飛び、ヲタめいた感覚も一気になくなりました。

マーロウの葛藤を思って苦しくなり、ウィルの宿命を思って切なくなり、二人の絆と運命を想って熱くなって、涙を誘われました。

さらに。

カーテンコールでふと肩の力が抜けて素の…いや素ではないのかな。ウィルともマーロウとも違う、アイドルの顔が覗いたとき、並大抵ではなかったであろう練習量や努力を思い、今度はヲタ的なメンタル丸出しでグッときてしまったものです。

 

光くん演じるクリストファー・マーロウ

薔薇と白鳥にご縁をいただくまで存在すら知らなかったマーロウ。

にわかですが彼について調べると、ろくな情報がない。

劇作家としての名はあれど、諜報員ともいわれており、無頼者、男色家、中世において無神論者という、突拍子もない破天荒な人物なわけです。

 

天才劇作家として名を馳せたマーロウは、スランプに陥りながらも、野心と自信にたぎる人物でした。自我丸出しで自分本位に振る舞いながらも、脆く、でもどこか憎めない愛らしさを秘めています。

かつて光くんが演じた、金八先生のシュウ役や殺風景の稔役にもどこか通じる人格のようにも思えました。

光くんの佇まいや憑依がかった演技は『強く脆く、でもどこか愛らしい』そんな人を演じるのに向いているのかもしれません。

 
マーロウは終始舞台に立ちっぱなしで、口を開けば理屈っぽい長台詞ばかり(笑)。

特に1幕の間はけっこうな困ったちゃんでしたが、しょーもない言い訳やしょーもない立ち振舞がコミカルに描かれていて、思わずクスっとしてしまう。

G2さんによってそんなふうに描かれたのか、光くんの持つ特性か、はたまたその相乗効果か。。マーロウはダメなやつなんだけど、カワイイ。放っておけないという気になるのです。


マーロウのセリフ量たるや半端じゃないんだけど、黙っていながら存在感だけを必要とされるシーンがいくつかあって、それがとても印象に残りました。

たとえば、酒場でウィルの評判と自分の悪評を耳にするシーン。

下を向いて執筆作業中である素振りなのですが、ペンを持つ手に力が入ったり、うわさ話をする客を気にする頻度が増えたり。

セリフこそなくとも、徐々に焦り苛立つ様子がよく伝わりました。

 

もうひとつは、新作の台本を売り込むシーン。

台本を売り込みに来たのにウィルと鉢合わせてしまい、みんなの関心はウィルに集中。しばらくの間舞台の端でほぼ同じ姿勢のままただ立っているのですが、首先と目線だけでマーロウのただならぬ心情がよくわかりました。

 

序盤のマーロウ本当にダメなやつなのに、プライドが高く野心家で傲った態度で、やきもきするんだけど、どこかカワイイの。

ウィルと出会い、時間の経過とともにくすぶっていた作品作りへの情熱が蘇ってくるんだけど、その反面ダメな自分を認めなきゃいけない葛藤で苛立ちも隠せない。

最終的にはウィルの才能を認めることで、どんどん真人間になっていく様子が凄かった。

もちろん衣装やメイクも違うんだけど、心が違うのがわかる。
目つきや姿勢や仕草で心の変化を表していたのでしょう。

 

すげぇな、光くん。

 

髙木くん演じるウイリアムシェークスピア

光くん演じるマーロウが陰なら、髙木くん演じるウィルは陽。
マーロウが闇なら、ウィルは光。マーロウが赤なら、ウィルは白。対象的な二人です。

マーロウが落ちぶれたダメなやつってことがある程度わかってから、ウィルは登場するのですが、初登場のシーンからその光のような笑顔と存在感に驚きました。

チャーミングな笑顔は髙木くんらしさを感じるんだけど、別人なの。

初舞台?またまたご冗談を、ってくらい佇まいから発声から所作から、存在そのものが舞台に映える!

 

ウィルは役者としても、作家としても並々ならぬ才能を発揮しながらも、傲らず親しみやすい人柄。みんながウィルのことを好きになるし、人が集まってくる。飄々とした、「人たらし」とも言うべき人物です。

 

マーロウと同じように印象的だったシーンがいくつかあります。


まずはウィルの登場シーン。

劇場に役者志望として飛び込んで来て、マーロウや劇場オーナー、主演役者の前で、台本を一瞥しただけ見事に相手役を演じて見せます。つまりこのとき髙木くんは、「『ある役を演じるウィル』を演じる」わけですが、これが素晴らしかった。

パンフレットで有川マコトさんが『「お前ってやつはすごいな」という台詞があるのですが、演技でもなんでもなく、そのまま髙木さんに言っている感覚なんです』と仰っていました。

プロの役者さんでさえこんなふうに評価するんだ、と感動!

 

 2つ目は、あとをつけられ隠れカトリックであることが判明するシーン。

このシーンはあとをつけている人物を主観にナレーションのように語られているため、ウィルはセリフなく動作・表情のみで「世間に知られてはならない切迫した秘密」を演じます。

フードを被った謎の女と落ち合い、隠れ家へ向かうウィル。フードの女におそらく絶望的であろう何を耳元で囁かれるのですが、このシーンもウィルにセリフはありません。

まったくセリフがないにもかかわらず、これまでの飄々とした仮面の下に忍んでいたウィルの宿命の重さとそれに対する絶望が伝わり、思わずゾクリとしました。

 
セリフがないといいましたが、泣いたり喚いたりジタバタするような極端なジェスチャーもありません。ほんのわずかな表情と主に身振りだけ。


さらにクライマックス、テロを企てた現場にマーロウが現れウィルを諭し、ウィルが自らの宿命を打ち明けるシーン。

舞台上にはウィルとマーロウのみ。

ここではじめてマーロウはウィルに対し「お前には才能がある」ときっぱりと認め、その才能のために演劇のために、テロから身を引くように食い下がります。

このときのマーロウはこの舞台で一番、強く慈愛を含んだ目をしている。
前半もあふれる野心からかなりの目力なんですが、力のベクトルが違うのがわかります。


はじめはマーロウに銃口さえ向けて抗うウィルでしたが、次第に本望ではない複雑な心情を吐露しながら、膝からまさに泣き崩れます。

この時とんでもねぇ音がしたので髙木くんの膝を心配しましたが、あとあと調べてみると毎公演同じ感想があってビックリ。痣だらけになってないかな。

喚呼・咆哮・啼泣と、ウィルのこれまでのにこやかな人柄と全く異なる部分が剥がれ出てくるこのシーン。「溢れ出た」という感覚がこちらにもよく伝わりました。

 

ウィルもまた、印象が時系列で変化します。

序盤ではにこやかな好青年だったのに、2幕では売れっ子になってちょっと傲慢なヤラしい部分もでてきたり、それ以上に何か「裏」を感じさせる。終始にこやかだったウィルが、めいっぱい感情を大爆発させるクライマックスは圧巻でした。

 

ウィルとマーロウに会えてよかった。

髙木くんも光くんも、舞台人としてこんなにも輝くのだと、また新しい発見ができました。

髙木くん・光くんそれぞれが発信するさまざまな媒体から、素晴らしいキャスト陣、スタッフ陣に恵まれ、人間的な豊かささえ実感なさるほど充実していたことが伺えます。

お二人にとってこの経験が、さらなる飛躍の契機になりますように。

 

(おまけ①)楽屋暖簾

舞台人には『楽屋暖簾』という風習が欠かせませんが、古くからの演劇界のしきたりとして、お世話になった先輩に作って頂くのが良いとされていてるそうですね。

 

光くんの暖簾

ジャニーズ内ベーシストとして親交の深い関ジャニの丸山くんに依頼したそうです。そして丸山くんがデザインを同じくベーシストである関ジュの林真鳥くんに頼んだんだとか。

”JUMPといえば歌、ラップ、楽器なんでもこなすからMUSIC POWERの文字を入れ、左下にはヒカルくんの作ったキャラクターが丸山くんを表す○を描いているイラスト!”(by真鳥くん)

暖簾には通常贈り主の名前を入れるのですが、なんと丸山くんは「丸山隆平」ではなくイラストで”○”と描いただけ…くぅぅぅぅ粋!カッコいい!

 

髙木くんの暖簾

髙木くんは初舞台ということもあって、楽屋暖簾をお世話になった先輩に作っていただくという習慣を知らなかったんだそう。無理もない。

暖簾の話を聴いてすぐに連絡して製作をお願いした先輩が、KAT-TUNの亀梨くんなんだとか。「言うのが遅いから!間に合うかわからないけど急いで作るわ」って引き受けてくれたそう。

初日時点ではまだ製作中だった髙木くんの暖簾は、かつて亀梨くんが佐藤浩市さんにいただいたものと、おそろいのデザインでした。

亀梨くんと髙木くんのクールなかっこよさが反映されているようでめちゃくちゃカッコいい!!

 

ところでカラフトの時、伊野尾さんも楽屋暖簾があったということ…?

調べてみたけど全然情報なくて、あったのかどうかすらわかりませんでした。

 

(おまけ②)グローブ座 観劇メモ
~いつかまた自担が舞台に立つ日まで~

伊野尾さんが主演した『カラフト伯父さん』はFC枠外れて、一般券発売日に敗戦して、そこでもう諦めてしまっていました。

その時ブログもSNSもヲタ垢を立てておらず、リア垢の片隅で手すきの時だけ見る専だったので、情報がなすぎたのが一番の敗因だったと思っています。もうだめだと思い込んでしまった。

今回はTwitterを通じて当日券が意外とポロポロ取れていることを知ってダメ元でチャレンジ。

毎日のように受付時間の2時間あまり鬼電しまくり。1日5~600回はかけたぞ絶対。公演も中日を迎える頃、たった1回だけ奇跡の通話を勝ち取り!

 

今回「薔薇と白鳥」の観劇を経て、いくつかの学びがありました。

いつか自担が再び舞台に立つ日に役立てたい備忘録をメモしておきます。


・グローブ座の看板は公演がはじまる前に撮影に行くべし。

 公演がない日は人もいませんし、天気・時間帯も選べます。
 夕方は意外と早く看板にライトが付くことを知りました。

 

・3階席には一度入っておきたい

 舞台が高いので1階席は近いけど見上げるような形になります。
 舞台セットを高く作られると死角があるようです。

 (今回は光くんがベッドになだれ込むシーンで寝顔が拝めたのは3階席だけ)
 全体が俯瞰して見渡せる3階席は、複数回入れるなら一度は入っておきたい。

 

・お手紙を渡すことができる

    グローブ座に関わらず舞台では手紙やプレゼントを劇場に託すことができます。
 ”ゆやぺ”で髙木くんが手紙についてこんなことを教えてくれました。
 「封はのりじゃなくてシールで止めてくれると開けやすい」(はいメモ)


・関係者観覧席

 もちろん公演によって異なるそうですが、グローブ座の場合、関係者の招待観劇 はセンター目のM~L列が多いようです。
 Jr.の子や後輩ブループの場合は2階席やパイプ椅子等の場合もあるようです。

 

当日券には夢がある

 今まではハナから無理だと思いこんでいましたが、夢は持てそうです。
 ただし昼休みに日々鬼電のうえ、取れれば次の日有給休暇というのは、
 社会人ヲタには結構な気合が必要です。

 

「薔薇と白鳥」のおかげで、舞台の素晴らしさと、多面的な楽しみ方をたくさん知ることができました。ありがとう。

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